人を幸せにする幸せ 2016/01/08 保護者の皆様 新年明けましておめでとうございます。 昨2015年のノーベル生理学医学賞に北里大学特別栄誉教授の大友智氏が選ばれたのは記憶に新しいことですが、大村先生が動物抗生物質の売り上げで20年以上世界一の企業であるメルク社と共同で開発した特効薬「イベルメクチン」を人々に無償で供与したことも薬の開発の偉業に加えて大きく報じられました。 先生が開発したこの薬は、アフリカ・中南米の熱帯地方でブユを媒介に感染し失明に至る「オンコセルカ症」という病気に、たった一回の投与で予防と治療を可能にするほどの著効があり、その結果、3億人ともいわれる人々を失明の危機から救ったのです。 教え子によると「人のためになる事をやれ」が先生の口癖だそうです。 さて、私たち伊勢原山王幼稚園の職員は、子どもが人々に貢献できるような立派な大人に育つよう幼児教育を通してその成長のお手伝いをすることを目指しています。 しかし、人々に貢献出来るようといっても誰もがノーベル賞受賞の大村先生のようなことが出来るわけではありません。 大切なことは、先生の口癖でもある 「人のためになる」 「人の役に立つ」 「人から必要とされる」ことです。 どんな些細なことでもいいのです。 子どもはごく幼少のころからおかあさんの喜ぶ顔を見て幸福感を抱くものであることは古くから知られた事実ですが、最近アメリカで学生たちを対象にある実験が行われました。 実験は、学生に5ドルか20ドルを渡しそのお金を「自分で使う」か「他人のために使う」かして、その日のうちに使い切るというものです。 この実験では、「自分で使う」(A)グループと「他人のために使う」(B)グループに分けたところ、お金をもらって幸福感がより高くしかもより長く続いたのが(B)のグループだったというのです。 そして、5ドル、20ドルという金額の多寡は幸福感にほとんど影響しませんでした。(cf.島井哲志 幸福の構造) 人はそもそも誰かを喜ばせることによって自らも幸せを感じる生き物のようなのです。 人々が幸福感をもって人生を歩むことはとても大切なことです。 そのためにも我が山王っ子には例外なく「人の役に立てるよう」な人に育って欲しいと願っています。 私たち職員一同も幼児教育を通して精一杯お手伝いをするつもりです。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 伊勢原山王幼稚園 理事長 小山直久