「出来るようになる」ということ 2016/09/09 二学期がスタートしました。実りの秋です。 私ども伊勢原山王幼稚園では、「出来ない子なんていない 誰でも皆が出来るようになる」ということを信じて日々子どもたちの教育に取り組んでいます。 ここであらためて「皆が出来るようになる」ということの意味について考えたいと思います。一般的に「皆が出来るようになる」と言った場合、「皆が『同じレベルで同じ事が』出来るようになる事」だと考えがちですが、私は「皆が『それぞれ出来なかった事が』出来るようになる事」だと考えます。 人はそれぞれ生まれた情況も育った環境も違います。それは子どもも同じで、個人個人発達の度合いが違うためその子その子により、今の時点でどこまで出来るのかのレベルは当然違ってきます。しかし、ここで注意しなければならないのは、子どもの発達の度合いがそれぞれ違うからといって今のままで良いのだと思うことです。私には、子どもたちにとっての毎日の少しずつの積み重ねはまるで将来のために種を蒔くことのように思えます。そうすることによって子どもたちは、昨日よりは今日今日よりは明日と確実に成長し、たとえすぐには目に見える形として表れなくても、いずれ蒔いた種は必ず「今まで出来なかった事が出来るようになった」という形で花を咲かせます。もし、子どもたち個人個人それぞれ発達の度合いが違うのだから今のままでいいのだと、毎日の少しずつの積み重ねがなされなければ、花の開花はずっと遅れさらにはたとえ咲いたとしてもその花は本来その子が咲かすことの出来る花にはほど遠いものになってしまうのではないでしょうか。まさに、「蒔かぬ種は生えぬ」の諺どおりです。 このように大切な毎日の積み重ねを欠かさず続け、しかもより効果のあるものにするには、子どもたちが園での学びに積極的な興味・関心を持ち自ら進んで自学自習するようになることです。 人としての基礎が培われる幼児期。その中心となる幼稚園で過ごす数年間が子どもたちにとって楽しく、さらに身に付けた物はこれからの人生にとってかけがえのない宝物になるよう私たち教職員一同力を合わせて邁進していく所存です。 二学期も宜しくお願いいたします。 理事長 小山直久