7月「文月」 2021/07/12 令和3年7月12日(月) 7月に入り9日、給食の配膳をしていた時、降っていた雨が上がり晴れ間が出たその時に、大谷先生が「蝉が鳴いている」と、言ったので耳を澄ますと確かにまだ上手に鳴けない蝉の声が聞こえました。雨続きの毎日ですが季節は確実に夏に向かっているのを感じました。その中、この梅雨で痛ましい出来事がありましたね。風光明媚な観光地熱海の土砂災害、襲ってきた土石流、あっという間に流れ飲み込まれて行く様子に、あの、3・11東日本大震災を思い起こされました。今も九州では線状降水帯が発生し大雨で何もかもが水に浸かり大変な事になっています。早く雨が上がり犠牲者が出ません様にと願わずにはいられません。当たり前にくる明日は当たり前ではなく、自然の恐ろしさにも改めて気づかされました。 今週中には梅雨が明けそうです。そうしたら暑い夏の到来です。今度は熱中症に気をつけないといけませんね。身を守る、体を守る、幼い子供たちにも伝えていきたいです。 さて、今日は一冊の本をご紹介します。「天国郵便局より」 皆さんは誕生死(流産、死産)の経験はありますか?やっと出来た小さな命が消えてしまう。悲しく、辛い経験。私にもあります。不妊治療の末やっと出来た命、喜びも束の間、流産してしまいました。自分を責めるしかなかったあの日を思い出し、あの時にこの本と出会えていたら、、と、、だから尚、心に染みたのかもしれません。それから、近くにいる大切な人も悲しい思いを背負って働いている事もあり心に響いたのだと思います。 この本の著者は産科医である鮫島浩二さんです。赤ちゃん誕生の嬉しい涙と、数えきれない悲しい涙に接してきたからこその作品です。辛い経験の記憶が邪魔をして一歩踏み出す勇気を出せないでいる方に伝えたいと書かれた詩です。 天国郵便局より おとうさん、おかあさんへ おとうさん、おかあさん悲しい思いをさせてごめんなさい。天国を出発する前、神様から「おとうさん、おかあさんと一緒にいる時間は短いですよ。それでも行きますか?」と聞かれたとき、本当にシヨックで悩みました。たとえあなた達に悲しい思いをさせても、たとえ一緒にいる時間は短くてもあなた達の子供に数えられたかったからです。 そして、私の夢は叶えられました。 おかあさん、私は確かにあなたの胎から生まれましたよね? おとうさん、私は確かにあなたの血を受け継いでいますよね? 私は永遠にあなた達の子供です。そのことを私は誇りに思っています。今私はあなた達とともに過ごした短いけれど楽しかった日々に思いを馳せ、私に続きあなた達の家族になりたいと言うきょうだい達にあなた達の事を自慢する日々です。私は元気にしていますのでもう、これ以上悲しまないでください。 そして、心から「わたしの選びは正しかった」と、言わせて下さい。 二編目「わたしたちは忘れない」 “いのち”を守るために必死に戦っていたあなたの日々を“いのち”を手放さざるをえなかった時、流したあなたの涙を それがどんなに悲しく耐えがたい試練だった事か・・・・・わたし達にはわかります、あなたの心のさみしさが。なぜなら、あなたと一緒に毎日、失う寂しさと向き合って生きているから。私たちは信じたい”いのち”を得るために再び歩き始めたあなたの勇気が”いのち”をついに両手でつかみ取り、喜びの涙で報われると。 その日までどんなに長く耐えがたい日々であろうとも私たちは支え続けます、あなたの不安が軽くなる様に。あなたに心からのエールを送ります。 さぁ、一緒に歩みだしましょう。 全文から少し抜粋して載せてみました。 生まれてすぐ、生まれる前にさよならした赤ちゃんからのメッセージです。 元気に何事もなく生まれるのは奇跡、出会えたわが子、何物にも代えられない宝物ですね。 子育てに疲れた時、生まれてこれなかった赤ちゃんもいる、元気に育っている我が子が今、目の前にいる幸せを感じて下さい。麻澄先生のブログにもありましたが、子供はあっという間に大きくなります。今の可愛い時を大事にして楽しんで下さいね。 長々お読み頂きありがとうございました。一学期も沢山のご協力ありがとうございました。 長い夏休み、家族で元気に楽しくお過ごし下さい。二学期もよろしくお願いいたします。 元気に生まれてきてくれてありがとう。 みんなと出会えて嬉しいよ! 教頭 市村恵美子